生産・販売活動に伴う動脈物流に対し、返品や廃棄、リサイクルに係る静脈物流が、SDGsやESG経営・投資の文脈から重視されるようになってきた。 モノを作り、あるいは販売するための物流、すなわち生産活動や販売活動に伴って発生する物流は「動脈物流」と呼ばれる。対して、返品や廃棄、リサイクルなどに伴い発生する物流は「静脈物流」と呼ばれる。 筆者(坂田良平、物流ジャーナリスト)が書いた記事も含め、世に出る物流関係のニュースは、ほとんどが動脈物流に関する記事であり、静脈物流に関する記事はとても少ない。少ないのだが、SDGs(持続可能な開発目標)やESG(環境・社会・企業統治)経営・投資などの観点から、最近では静脈物流の重要性が増している。 静脈物流がなぜ重要なのか。2回に分けて解説する。