4月の末くらいまで、家のすぐ裏でウドとタラの芽、コゴミがたくさん採れた。シドキと呼んでいたモミジガサも少し生えていたので、一度摘んできた。5月に入るとフキが伸び始め、作業道の脇にはミズと呼ばれる青い葉がだんだんと丈を高くしていった。 ミズ、フキ、ミツバ。ミズは家の近くで一番多い山菜で、青ミズと赤ミズの2種類がある。フキは北海道のアキタブキよりも大分細い。味はあまり変わらない。 親戚と連れ立って5月のはじめに山菜取りに行くのが毎年の恒例だった。北海道の春の山菜はタラの芽、アキタブキ、シドキ、そして何といってもアイヌネギ(ギョウジャニンニク)で、親戚筋ではワラビの類は処理の面倒臭さからあまり採るひとは居なかった。タケノコと呼ぶチシマザサの小さいのを藪に潜って採りに行った。山形ではそれを月山竹と呼び、こちらに来てからはまだ食べていないけれど、豚バラと鍋にして黒胡椒を効かせたものがとてもうまかった