空前の渡来数で知られる「出水のツル」だが、主混群であるナベヅルとマナヅルの利用環境は、少しずつ減少している。いわゆる、谷津野環境と呼ばれているエリアなどで、ポツポツ利用数が減少している。渡来数増減には寄与しないのが、ここの100tを超える給餌とウォーターハザードを人工的に作って、要するに湛水水田を塒資源として整備している効果は大きいと思われる。 耕地整備により、どういう変化があるかというと、乾田化するということだ。乾田化するとそれまで利用していた餌生物が減少してどうも使いにくくなるようだが、これ自体検証されていない。耕地整備は圃場単位が大きくなるので棚田構造の段差が大きくなって視界が制限を受けやすくなるというのもあるが、おそらく利用現象は乾田化がきいていると思われる。ただ、乾田化する理由については、最初はよくわからなかった。耕地整理後、水利が変わる水田が多い。水稲の生育、刈取りが終わると、