まだ梅雨の明けきらぬ東京を発ち、北上すること1時間半。北海道の表玄関である千歳空港に降り立つと、大きな青空の下、眼を射るほどにまばゆい陽光が降り注いでいた。 研究室や実験室で胎動する、次世代・次々世代の新エネルギーや近未来のエコ技術をご紹介する連載「ECOラボ」。第1話の取材のため訪れたのは、千歳科学技術大学キャンパス。その一角で行われた「太陽光励起レーザー実証実験装置」の竣工記念式典から、物語をスタートさせたい。 「バサッ、バサッ」 紅白の段幕に囲われたテントの中で、低頭する参列者に神職が紙垂(しで)を振る。新プロジェクトの船出を寿(ことほ)ぐ、祝詞(のりと)には、こうあった。 「考え凝らしむ 新たなる企て 後の行く先の世に 立ち居栄えよと かしこみかしこみ申す──」 東京工業大学の矢部孝教授は、自身が考案した新たなエネルギーサイクルの実証と普及のため、大学発ベンチャーとしてエレクト