「どう頑張っても突破口が見つからなかった」 錦織圭はアレクサンダー・ズベレフに完敗。完全復活を期して臨んだ全仏は4回戦止まりだった。〈あそこでこうしていたら、という場面はあったか〉と問われると「チャンスは一つも思い浮かばない」と顔をしかめた。 「ダウン・ザ・ラインへの早い仕掛け」に苦しむ 第1セットの攻防がすべてだった。 0-3のスタートからブレークバックで3-3に追いついたが、4-5からのサービスゲームでブレークを許す。両者ともラリーで優位に立とうと積極的に攻めた。劣勢から1本で攻勢に転ずる場面も目立ち、極めて質の高いラリーの連続だった。しかし、守備でも攻撃でも、わずかにズベレフが上回った。 焦点のひとつはダウン・ザ・ラインをめぐる攻防だった。序盤のズベレフはダウン・ザ・ラインへの仕掛けがとびきり早かった。両者は前哨戦のマドリードとローマで続けて対戦、錦織は連敗を喫している。「マドリード