会社が、成長のスピードを上げるために、自前で全てやるよりも企業合併を選んだ方が得策だと考えたとしましょう。あなたは、社長から「どの会社を買収したらいいのか調査せよ」との指令を受けました。 まずは心当たりのある会社を調べます。買収の目的が自社にない技術の確保なら、当然その技術を持つ会社を、販路の開拓が目的なら、欲しい販路を持つ会社を合併候補としてリストアップするでしょう。 リストができたところで、考えます。「さて、どの会社と一緒になるのがいいのかな?」 候補となる会社の実力の判定や、買収に必要な資金の計算をしつつ、あなたは一抹の不安を覚えるはずです。「買収するのはいい。でも合併してうまくいくのだろうか? かえって業績を下げることにならないだろうか」 そう考えるのは、買収失敗のニュースをいくつか読んだ記憶があるからです。合併の難しさ。これはマキァヴェッリ(1469~1527年)も苦しんだ問題で