首都圏で有料老人ホームなど37施設を運営し、1月に経営破綻(はたん)した未来設計(東京)。その入居者の遺族らから「入居一時金が戻ってこない」と不満の声が上がっている。施設破綻に備えた保証制度もあるが、今回は発動されていない。万一の事態に入居者を守る制度が、なぜ使えないのか。 神奈川県に住む50代の女性は「これで保証制度といえるのか」と憤る。 女性の両親は昨年2月に未来設計が運営するホームに入った。父は昨年中に亡くなり、母は今年に入ってから別の施設に移った。未来設計は1月下旬、民事再生法を申請して破綻した。両親が入居した際、計約1千万円の入居一時金を支払ったという。 入居一時金は「前払いの家賃」に相当するとみなされるため、入居期間が短ければ施設側は残額を返さなくてはいけない。女性の両親はいずれも入居していたのは1年以内なので、施設側は約900万円を返さなければならない。 しかし未来設計は破綻