今夏の新型コロナウイルスの感染爆発はなぜ急激に収束したのか。専門家は考察を重ねてきた。ワクチン接種や人流の増減だけでは説明がつかない中、感染の「120日周期」という新たな仮説が加わった。これを学習した人工知能(AI)が唯一、人流増加でも感染者が減ると予測していたという。周期のメカニズムは不明だが、AIによると、第6波は1月中旬から2月の到来が予想される。(沢田千秋) 「人流が増えても8月後半には感染者数が減ると予想したのは、平田モデルだけだった」。そう指摘するのは、新型コロナ感染と経済の見通しについて研究を続ける仲田泰祐東京大准教授(経済学)。「平田モデル」は、名古屋工業大の平田晃正教授(医用工学)らが開発したAI予測システムだ。 今年8月13日、東京都の新規感染者数は最多の5908人を記録した。当時、政府の新型コロナ分科会の尾身茂会長は感染抑制のため「人流の5割削減」を国民に要請。専門家