日本国内の歴史論争がもたらす弊害海外暮らしが長くなると、首相の靖国神社参拝や旧日本軍「慰安婦」問題をめぐる日本国内の歴史論争が百害あって一利もないことを痛感させられる。 産経新聞の古森義久ワシントン駐在客員特派員は「慰安婦問題 国辱晴らすとき」と題したコラム(今年9月)で「朝日新聞の慰安婦問題での誤報の訂正と記事取り消しがついに米国側の関係者らに直接のインパクトを及ぼし始めた」と指摘している。 しかし、ロンドンではそんな動きはまったく確認できない。そればかりか、日本に対する風当たりが次第に冷たくなってきているように感じられるのは筆者の取り越し苦労か。 国連難民高等弁務官事務所(UNHCR)特使として「紛争下の性的暴力追放」キャンペーンに取り組む米人気女優アンジェリーナ・ジョリーが監督を務めた第二作『アンブロークン』の予告編を見て、思わず目を覆いたくなった。 先の大戦で旧日本軍捕虜となった元