ソウルにある慰安婦像(平和の少女像)の前では、日韓合意の破棄を求める学生団体が座り込み(2020年) CHRIS JUNGーNURPHOTO/GETTY IMAGES <強制連行を否定する米論文に怒りの韓国世論、必要なのは異論を検証する冷静な公的対話だ> 大日本帝国は韓国人女性に性的労働を強制した──そんな「定説」に疑問を呈した論文が韓国で猛批判を浴びている。ハーバード大学ロースクールのジョン・マーク・ラムザイヤー教授が、インターナショナル・レビュー・オブ・ロー・アンド・エコノミクス誌で発表した「太平洋戦争における性契約」だ。 韓国を拠点とする学者である私たちは、この論文には非難ではなく論議が必要だと訴えたい。ラムザイヤーが個人的に日本と親交が深いことを理由に、学問的誠実性に欠けると攻撃するのは非生産的で、外国人差別めいている。 従軍慰安婦は性奴隷ではないと結論付けたラムザイヤーに謝罪を要