(英エコノミスト誌 2014年3月1日号) 神風特攻隊のパイロットを題材にした映画は、不安になるほど国家主義者たちを勢いづかせている。 東京のある若い映画ファンは、自分がなぜ3度目の「永遠の0(ゼロ)」鑑賞のために行列に並んでいるか、はっきり分かっていた。第2次世界大戦末期に米国の戦艦を攻撃した「カミカゼ」パイロットの集団に関する映画から彼が感じ取ったメッセージは、当時の若い男性は今日の「草食」男子とは大違いで、男らしく、目的を持っていたということだ。 「特攻隊」として知られるパイロットらは長年、物議を醸してきたが、彼らの物語が国内でこれほど人気を博したことはなかった。「永遠の0」(神風特攻隊が操縦していた零式戦闘機にちなんで名付けられたもの)は、邦画としては過去最多の観客動員数を誇る映画の1つになりそうだ。 やはり「永遠の0」を鑑賞した安倍晋三首相は、映画に「感動した」と述べた。映画の原