旬刊商事法務の最新号(2012年9月5日号)では、いよいよ岩原紳作東大教授(会社法制部会長)の会社法制要綱案の解説の連載が始まりました。きちんと勉強しておきたいところでありますが、同号では「日本におけるコンプライアンスの現状と課題」と題する早大の甲斐教授の論稿(アンケート結果分析)も掲載されておりまして、(私的には)こちらにも興味を覚えました。独禁法系、刑事法系からのアプローチが強いアンケートになっておりますが、2004年と2010年の各企業のアンケート回答結果を比較しますと※、なかなか時代の流れを感じます。コンプライアンスの概念や企業の思い浮かべるCSR(企業の社会的責任)とは?といった回答内容はガラッと変わっておりますし、なかにはEU・米国の制度と比較して、日本のリニエンシー(犯罪自主申告制度)に証拠法上の不利益があることを指摘する回答など、非常に鋭いご意見もあり参考になります。 ※・