【シンガポール=蒔田一彦】中国が主導するアジアインフラ投資銀行(AIIB)の初代総裁に就任する金立群・元中国財務次官は19日、経済フォーラム出席のため訪問したシンガポールで読売新聞などのインタビューに応じた。 金氏はAIIBの意思決定機関である総会や理事会の役割について、意思決定の迅速化などを理由に「個別の事業に直接関与すべきではない」と述べ、融資案件の決定に総裁らの権限が強まる可能性を示唆した。中国の思惑が反映されやすくなるとみられ、日本の懸念が的中しそうだ。 金氏は融資先の国について、「『あれをしろ、これをしろ』と指示することは、(その国の)政府からイニシアチブを奪うことだ。我々は相手国政府の決定を尊重する」と述べ、アジア開発銀行(ADB)など既存の国際金融機関との違いを強調。さらに「AIIB参加国の中にはADBに入りたかった国もある。しかし、ADBに新たに加わるのは難しい。既存のメン