・ある絵画にクワガタムシが描かれたのはなぜかという議論(Togetter) この件について。こういう静物画は17世紀のオランダだと珍しくないが,ドイツだと珍しいかも。とはいえ,昆虫を仕込むのは,実はヨーロッパの古典絵画で普遍的に見られる。昆虫を描くのは技量の誇示とだまし絵的効果が相場であるが,大概はハエを選ぶ。もちろん静物画に仕込むのはいわゆるヴァニタス,物はいつかは腐るのだという教訓の意味合いもあろうが,他のジャンルにも昆虫は闖入するし,象徴的意味合いだけでは説明がつかないものも多い。 たとえば,カルロ・クリヴェッリの聖母子の絵。一応,この絵では説明に「The apples and fly are symbols of sin and evil」とあるので,象徴的意味合いが込められているが,これにしたってどう考えても「こんなところに,場にそぐわないハエがいる」というだまし絵的効果をねらっ