水圧に順応し、潜水病予防 「飽和潜水」仕組みや利点は―知床観光船、近く船内捜索 2022年05月15日07時07分 水深の深い海底で作業可能な潜水スーツを身に着けた海上自衛隊の飽和潜水員(海自提供) 北海道・知床半島沖の観光船「KAZU I(カズワン)」沈没事故で、潜水士による船内捜索が近く始まる。地上の13倍もの圧力がかかる水深約120メートルの捜索は、特殊な装置で潜水士の体を水圧に順応させる「飽和潜水」で行う。潜水艦事故などに備える海上自衛隊の飽和潜水員は「水深100メートル以上で細かな作業を行う方法は他にない」と話す。 【図解】飽和潜水のイメージ 空気ボンベによる通常の潜水は水深約50メートルが限界とされる。水圧が増すほど、呼吸で取り込まれる窒素が血液や体の組織に溶けやすくなり、酩酊(めいてい)したような状態になる「窒素酔い」や、浮上時に再び体から排出される窒素が気泡となって血管や臓