■頭脳戦で6連勝の日比■ 「体力というより、頭が疲れていました」 照れ笑いに苦みをにじませ、日比万葉はそう敗因を振り返った。岐阜で開催された、賞金総額7,5000ドルのカンガルーカップ。その準決勝で第1シードに敗れるまでに、日比は予選3戦を含め、既に6戦を戦っていた。特に前日の3回戦では、炎天下の中、2時間15分の文字通りの熱戦を制したばかり。疲れていたのは、当然だった。 フィジカル向上でショットの威力も増したという日比ただその2時間越えの白熱の試合と、「頭が疲れていた」との言葉に、彼女のテニスの精髄が凝縮されている。3回戦の対戦相手のデュアン・インインは、186センチの長身から打ちおろす強打が武器のパワープレーヤー。その大型選手に立ち向かう日比の武器は、ボレーや片手バックのスライスに代表される手札の数と、それらを組み合わせる戦術の妙にある。 対デュアン戦でも日比は、それらの持ち味を存分に