○大坂なおみ 6-4,6-4 エレナ・スビトリーナ 「私は、エンターテイナーなの。サービスで観客の度肝を抜こうと思っていたわ」 か細い声で照れたような笑いを浮かべながらも彼女がそう言ったのは、1年半前の夏。当時世界19位のサマンサ・ストーサーを破り、テニス界の注視を集めた頃でした。 「無茶をしない、我慢することを覚えているところなの」 そう言ったのは、昨年の初夏のこと。岐阜のITFトーナメントで準優勝した大坂は、急成長の理由を「守備を鍛え、戦術面を学んでいる」点に求めました。 それから、約8カ月――。満席に膨れ上がった全豪オープンのショーコート2(会場で4番目に大きなコート)で、大坂なおみは高速サーブやフォアのウイナー、そしてそれ以上に、長いラリーにも際どいジャッジにも気持ちを切らさず戦うメンタリティで、3000人のファンを魅了しました。 大坂にとっての最大の“テスト”が訪れたのは、第1セ