東京電力の株主代表訴訟の法廷で2021年7月6日、東京地裁民事8部の裁判官たちは、東電の武藤栄・元副社長を相手に、同社による原発安全対策の意思決定過程に次々と疑義を指摘した。福島県沖の日本海溝近辺でマグニチュード8級の津波地震が起こり得るとの国の地震調査研究推進本部(推本)の見解に基づいて東電の土木技術者たちは2008年、福島第一原発の津波対策強化が必要だと考えたが、武藤氏は同年7月、推本の見解の根拠が分からないという理由でその実施の見送りを決め、現在、法廷でその判断を正当化しようと努めている。6日の尋問で3人の裁判官たちは予定の時間を大幅に超えて47分にわたり武藤氏の判断過程に疑問を投げかけ、裁判長は「あなたから聞く話によると、推本がバカみたいじゃないですか」と皮肉を口にした。 午前9時58分、朝倉佳秀裁判長を先頭に民事8部の裁判官3人が法廷の奥の扉から東京地裁第103号法廷に入ってくる
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