安倍首相の親しい友人である加計孝太郎氏の経営する加計学園に対して、獣医学部新設のために、安倍首相が便宜を取り計らったかどうかが、加計学園疑惑の最大のポイントだ。 その点に関して、安倍首相は、『国家戦略特区によって「岩盤規制にドリルで穴を開けた」のだ、個人的便宜を取り計らったことはない』という主張を繰り返している。 これは、あきらかに問題のすり替えである。 だが、本当に国民の利益に反する「岩盤規制」があったのかどうかについて検討することも意味のあることだろう。 獣医師が足りない、特に産業動物獣医師が足りない、それなのに獣医師を増やす政策に、獣医師会と農林省・文科省が反対しているというのが、安倍首相の言う「岩盤規制」なのだろう。 農林省が、10年前にまとめた獣医師の需給予測に関する報告書がある。多少古いが、獣医師数の需要は、当時から同じ水準か、または小動物の減少等により、減っている可能性が高く