【書評】『ブラを捨て旅に出よう』(歩りえこ・著)/講談社文庫/630円 【評者】山下マヌー(旅行作家) 失礼ながら、著者のことは存じませんでした。しかしながら、著者と編集者の作戦にまんまとハマり、タイトルに惹かれ思わず手に取ってしまったこの本。 旅行本の類いでありながら旅の情報もノウハウも地図もなし。一言でいえば著者の超個人的な旅エッセイ。 旅の始まりはアメリカ。留学のために150万円を持ってアメリカに行くも、「所持金150万円では大学の授業料は払えない」ことが判明。普通なら落ち込み、そこで一旦帰国となるところだし、そもそもそういうことは前もって調べてから出かけていくもの。しかしそこが「私らしいといえば私らしい」と、その150万円を持ってアメリカから世界一周の旅に。 登場する21か国の中にはハワイやソウルなど、いわゆる日本人に馴染みの深い観光地は登場しないし、(実際はしているのかもしれない
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