経済学というものは複雑かつ難解なようでいて、大家の回答はいたってシンプルである。 近代経済学の巨頭、J・M・ケインズは不況対策として、紙幣を大きな瓶に詰めて廃坑の奥深く埋めろ、あとは自由放任、民間企業に掘り起こさせればよいと真顔で説いた。 地下のどこかに眠る巨額のマネーを目当てに、多くの企業が競い合って技術や設備を動員し、ヒトを雇用して、発掘に励む。見つかったおカネは使われ、経済全体に回るようになるので、景気は確実によくなるというわけである。 この紙幣大作戦、頭の固い財務省や日銀の官僚、あるいは官僚の意のままの主流派経済学者たちは「そんなことできません」と拒否するだろう。でなくても生真面目な日本人の多くは「打ち出の小づちなんて」と懐疑的だ。が、政治決断さえあれば明日にも実行できる。 筆者案は、日銀が100兆円の資金を発行して、政府に渡す。政府は100兆円の日本再生基金を設置する。100兆円