元首相秘書官の柳瀬唯夫経済産業審議官の国会への参考人招致を契機にして、学校法人「加計学園」(岡山市)の獣医学部新設問題に再び注目が集まっている。ただし、筆者に言わせれば、相変わらずの悪質な誘導報道めいた動きや、多くの野党の「疑惑がますます深まった」症候群が加速化しているだけでしかない。 この問題は日本のメディアの低レベルと政治の薄っぺらさを実証する以外に何の成果もないのである。だが、世論調査では、圧倒的多数の人が柳瀬氏の国会での発言に納得していないようだし、テレビのワイドショーの「識者」の発言も同じく批判的だ。 しかし、筆者の考えでは、加計学園問題は一種の政治的な娯楽で消費されているに過ぎず、いわば受け手や作り手の「好き嫌い」しか反映されていないものだと思う。つまり、映画や遊園地で遊んだことについて、お客さんに「満足」か「不満足」かのいずれかを問うものと同じレベルであるということだ。