中国湖南省で10月にオープン予定の「張家界玻璃橋」は、全長380mと、世界でいちばん長いガラスの歩行者専用橋になる。地上約400mの高さに浮かんだその橋は、ほとんど雲の一部のようだ。 中国湖南省の「長家界国家森林公園」にある、全長約370mの峡谷にかける橋を設計してほしいと依頼されたとき、イスラエルの建築家ハイム・ドウタンは、即答できっぱりと断わった。 ドウタンには、橋をつくる気などなかった。長家界国家森林公園は、険しい峰が連なるカルスト地形と豊かな植生で有名な場所で、世界遺産でもある。まるで映画『アバター』のワンシーンのような風景だが、それもそのはず、湖南省の北西に位置するこのエリアは、『アバター』に出てくる「ハレルヤ・マウンテン」のモデルとなった場所なのだ。ドウタンは、そうした風景に橋をかけるのは冒涜だと考えていた。 しかし、開発業者のねばりに根負けしたドウタンはついに折れた。「そのと