<いまだに残る「家事は女性がするもの」という日本のジェンダー意識が未婚化・少子化にも繋がっている> 日本の未婚化の進行が止まらない。子どもの数が減る一方で、家族を持たない人が増えてくる。情緒を安定させる拠り所がないとも言える人たちだ。フランスの社会学者デュルケムは名著『自殺論』において、「人は社会的な生き物で、何らかの集団に属さずして、自分自身を目的にしては生きられない」と述べている。 血縁に由来する基礎集団としての家族は、成員の情緒を安定させる機能を果たす。これがある人とない人では、幸福度も違ってくると予想される。2017~2022年に各国の研究者が共同で実施した『世界価値観調査』では、「総合的に言って、今のあなたはどれほど幸福か」と尋ねている。日本の25~54歳を未婚者と既婚者に分け、「あまり幸福でない」ないしは「全く幸福でない」の回答割合を計算すると、前者では19.2%、後者では6.
