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のだ・まさあき 1944年、高知県生まれ。北海道大医学部卒。神戸市外国語大教授などを経て現在、関西学院大教授。「喪の途上にて」「災害救援」など著書多数。=幾島健太郎撮影 <この国はどこへ行こうとしているのか> ◇悲しみは悲しむ社会に--精神科医・野田正彰さん(67) 野田正彰さんは欧州のパリ滞在中、東日本大震災の発生を知り、「かなりの無理をして」急きょ帰国した。 「1995年の阪神大震災では、仮設住宅に入った人たちの孤独死や自殺が相次ぎました。なぜなのか。その怒りがずっと心にあったので、今度の震災では何とか防げないかと、発生から1週間後に被災地入りしたのです」 これまでに数回、岩手、宮城、福島の避難所を訪ね、孤立しがちな被災者の話に耳を傾けたり、遺族と一緒に思い出の場所を歩いたりして精神的サポートを続けてきた。 だが、そうしながらも、ある違和感が野田さんにまとわりついて離れなかった。 「例
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