タヌキの置物で知られる信楽焼の里・滋賀県甲賀市内を走る第三セクター鉄道「信楽高原鉄道」(SKR)が9月の台風18号による豪雨被害で全面運休に追い込まれ、財政難から復旧の見通しが立たず廃線の危機を迎えている。SKRといえば、乗客ら600人余りが死傷した平成3年の大事故が思い浮かぶが、過去何度も運休や路線廃止の危機を経験する苦難の歴史を刻んできた。しかしその都度、地域の人たちに支えられて生き延び、今年で開設80周年を迎えた。復旧の見通しが立たない今回も「何とか運行再開にこぎつけてほしい」と沿線住民らは願っている。 ■橋が流された 9月15〜16日に全国で猛威をふるった台風18号は、滋賀県内にも深刻な災害をもたらした。SKRの本社がある甲賀市の信楽地区では、約250戸が床上・床下浸水。主要幹線の国道307号もあちこちで土砂が崩れ、寸断された。 SKRも16日、貴生川駅近くの杣(そま)川にか