衆院本会議で内閣不信任決議案の投票後、自民党の稲田朋美政調会長(右手前)と話す安倍晋三首相(左)ら=31日午後、国会(斎藤良雄撮影) 安倍晋三首相は今後3年あまりの間、消費税増税というくびきからアベノミクスを解き放つ。そして財政政策と金融政策の両輪をフル稼働させる。景気浮揚、脱デフレは待ったなしだ。 安倍政権は増税の延期に伴い、大型の第2次補正予算の検討に入った。財政を動かせば日銀異次元緩和も活力を取り戻す。従来の増税・緊縮財政路線を踏襲するなら、年間約80兆円もの日銀資金は日本の雇用や設備投資増進に役立たない無駄金になりかねない。 かの「パナマ文書」で世界を騒がせているタックスヘイブン(租税回避地)を例に挙げよう。国際決済銀行(BIS)統計によれば、平成26年4月の消費税増税後、日本は英国を抜いてオフショア金融市場(タックスヘイブン地域と同一)への世界最大の資金の出し手になった。代表的な