キヤノンは、SEDを採用した家庭用テレビの開発を中止することを明らかにした。同社では開発中止の理由として、量産化のためのコストダウンが行える目途が立たなかったことを挙げている。 キヤノンは今後、SEDを教育用や放送局用ディスプレイなど業務用途で活用することを目指し、一部で開発を続けていく。子会社のSED(株)も存続させる。 SED(Surface-conduction Electron-emitter Display)はキヤノンが1986年から研究を開始し、1999年から東芝と共同で実用化に向けて開発を行った。 ブラウン管と同様、電子を蛍光体に衝突させて発光する自発光型で、ブラウン管の電子銃に相当する電子放出部が画素の数だけ設けられている。高輝度、高精細、高速応答性、高コントラスト、高い色再現性など画質に優れているのが特徴とされていた。 2004年にキヤノンと東芝がSEDの開発、生産を表明