【シドニー=岡崎哲】オーストラリア南部ビクトリア州警察当局は9日朝(日本時間同)、同州北部など約36か所で発生した山火事による犠牲者が128人に達したと明らかにした。 地元メディアによると、同州の延焼面積は33万ヘクタール以上に達し、焼失家屋も750棟以上にのぼった。75人が死亡した1983年の「灰の水曜日」を上回る同国史上最悪の山火事で、9日朝現在も、約13か所で延焼が続いており、死者数は230人に上る恐れもあるという。 ラッド豪首相は8日、消火や復旧活動支援のため、陸軍部隊の出動を命じたほか、1000万豪ドル(6億2000万円)を復旧支援に充てると発表した。 山火事は7日、州都メルボルン北方の複数の山林での自然発火で始まったとみられる。気温約47度に達した連日の猛暑で空気が極度に乾燥していた中、強風で火の回りが早く、多くの犠牲者が逃げ道を失って自宅や避難中の車の中で焼死した。メルボルン