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ブックマーク / huyukiitoichi.hatenadiary.jp (5)

  • 多角的な視点で幻覚剤の効用を考察する『幻覚剤は役に立つのか』やイスラエル諜報機関の全貌を暴く『イスラエル諜報機関 暗殺作戦全史』まで色々紹介!(本の雑誌2020年8月号掲載) - 基本読書

    まえがき の雑誌2020年8月号掲載の原稿を転載します。原稿にも書いたが、今回は大作揃い。特に『イスラエル諜報機関 暗殺作戦全史』は上下巻でアホみたいに文字が詰まっていてページ数も多くて読むのがゲロ大変だった。おもしろいからいいんだけどね……。『幻覚剤は役に立つのか』も最高なノンフィクションだったし、『絶望を希望に変える経済学』も年間ベスト級だし、と非常に充実した月になっている。 ここから原稿 幻覚剤は役に立つのか 亜紀書房翻訳ノンフィクション・シリーズ 作者:マイケル・ポーラン発売日: 2020/06/26メディア: Kindle版今回もかなりの大作揃い。まずご紹介したいのは、マイケル・ポーラン『幻覚剤は役に立つのか』だ。実は近年、LSDなどの幻覚作用を持つ薬物が医療や意識の研究対象として注目を浴びている。たとえば、ガンの末期患者らに、精神的苦痛に対処するため、マジックマッシュルームの

    多角的な視点で幻覚剤の効用を考察する『幻覚剤は役に立つのか』やイスラエル諜報機関の全貌を暴く『イスラエル諜報機関 暗殺作戦全史』まで色々紹介!(本の雑誌2020年8月号掲載) - 基本読書
  • 学びだけでなく行動すること、挑戦することをあきらめたくない人へ──『独学大全 絶対に「学ぶこと」をあきらめたくない人のための55の技法』 - 基本読書

    独学大全 絶対に「学ぶこと」をあきらめたくない人のための55の技法 作者:読書猿発売日: 2020/09/29メディア: 単行(ソフトカバー)『独学大全』は、ネット上の書き手として、そして『アイデア大全』、『問題解決大全』で大きく話題になった読書猿による三作目の著作である。大全が続いているように、ワン・テーマ、ワン・イシューをおいてそこについて非常に幅の広い知識・知見・歴史を投入して、情報量で読者を圧倒してくるタイプの、書き手といえる。 で、三作目のテーマは「独学」だ。これまでの作品の中でも最も分厚い圧巻の750ページ(30ページ以上の注釈を入れると800ページ近い)。ページ数をみて、分厚いと思っても手に取るまで実感がなかったのだが、実際に届いて手にとってみると、ヒクぐらい厚い。500ページを超えるようなの場合上下になるものだけど、この場合は「大全」であり、「事典」であるから、あえ

    学びだけでなく行動すること、挑戦することをあきらめたくない人へ──『独学大全 絶対に「学ぶこと」をあきらめたくない人のための55の技法』 - 基本読書
  • 最先端物理理論の提唱者が語る、時間の実態──『時間は存在しない』 - 基本読書

    時間は存在しない 作者: カルロ・ロヴェッリ,冨永星出版社/メーカー: NHK出版発売日: 2019/08/29メディア: 単行(ソフトカバー)この商品を含むブログを見る時間は存在しない、といきなり言われても、いやそうは言ったってこうやって呼吸をしている間にもカチッカチッカチッと時計の針は動いているんだから──とつい否定したくなるが、これを言っているのは、一般相対性理論と量子力学を統合する、量子重力理論の専門家である、職のちゃんとした(念押し)理論物理学者なのである。 名をカルロ・ロヴェッリ。彼が提唱者の一人である「ループ量子重力理論」の解説をした『すごい物理学講義』は日でもよく売れているようだが、書はそのループ量子重力理論から必然的に導き出せる帰結から、「時間は存在しない」ということをわかりやすく語る、時間についての一冊である。マハーバーラタやブッタ、シェイクスピア、『オイディプ

    最先端物理理論の提唱者が語る、時間の実態──『時間は存在しない』 - 基本読書
  • デビュー作にして超ド級の傑作ハードSF──『ランドスケープと夏の定理』 - 基本読書

    ランドスケープと夏の定理 (創元日SF叢書) 作者: 高島雄哉出版社/メーカー: 東京創元社発売日: 2018/08/30メディア: Kindle版この商品を含むブログを見る書『ランドスケープと夏の定理』は第5回創元SF短編賞を受賞した高島雄哉の、受賞作を端緒とする3編の連作短編集にして、単行のデビュー作になる。その作風を一言でいえばキャラ萌えが追加されたグレッグ・イーガン(いや、イーガン作品のキャラに萌えないってわけじゃないですよ!)、日作家でいうならば小松左京みたいなもんで、ちゃくちゃおもしろい。ぜんぜんデビュー作って感じじゃない。 21世紀後半を舞台に、22歳で教授になった天才物理学者の姉と、姉には及ばないものの優秀な弟が、世界を激変させる知性に関する3つの新しい定理を解き明かしていく──と、ざっくり表現すればそんな話になる。第一作「ランドスケープと夏の定理」では、”すべての

    デビュー作にして超ド級の傑作ハードSF──『ランドスケープと夏の定理』 - 基本読書
  • 世界はぐんぐん良くなっている──『進歩: 人類の未来が明るい10の理由』 - 基本読書

    進歩: 人類の未来が明るい10の理由 作者: ヨハンノルベリ,Johan Norberg,山形浩生出版社/メーカー: 晶文社発売日: 2018/04/24メディア: 単行この商品を含むブログを見る「10の理由」とか、やけにアッパーな書名が全体的に怪しいものの、訳者が山形浩生さんだったので読んだらこれがちゃんと当たりであった(いちおう弁護しておくと、人類の部分は邦題オリジナルだがそれ以外はおおむね原題通りである)。 内容としては至極単純で、「世界はどんどん前よりも良くなっている」というだけの話ではある。実際、それはその通りだ。『暴力の人類史』など、近年のノンフィクションを読んでいる人間なら「知ってる知ってる。暴力も減って栄養状態もよくなって差別も減って、現代サイコーだよね」と頷くかもしれないが、実は多くの人は世界は悪化しつつあると思っている。たとえば著者によると、イギリス、オーストラリア、

    世界はぐんぐん良くなっている──『進歩: 人類の未来が明るい10の理由』 - 基本読書
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