ボーカロイド(ボカロ)が世に知れ渡る大きなきっかけとなった「VOCALOID2 初音ミク」が発売されてから今年で10年となる。東大駒場キャンパスでもボカロについて扱う講義「ボーカロイド音楽論」(ぱてゼミ)が昨年度から開講され、大きな話題になった。多くの人が知る存在となったボカロについて掘り下げてみよう。 (取材・湯澤周平) ボカロとは何か そもそもボカロとは、開発元が事前に人間の声を収録して歌声ライブラリを作り、それを元にユーザーがメロディーと歌詞をVOCALOIDエディターで打ち込んで歌声を合成する技術のことを指す。「VOCALOID2 初音ミク」は声優の藤田咲さんの声を元にして製作された歌声ライブラリで、2007年8月31日に発売された。パッケージには青緑色の髪を持つ16歳の少女が描かれ、バーチャルシンガーのミクとして認知されるようになった。 初音ミクの魅力は、ミクにいろいろな曲を気軽