「性の悦びおじさんが死んだ」 その書き込みを見た時、得体の知れない胸騒ぎが「形になった」気がした。 私が最初に彼を知ったのは、彼を知る殆どの群衆と例外ではない「Twitter」での拡散動画を見たのがキッカケだった。 タイムラインにリツイートされてきたその動画を再生して、悲しくなったことを覚えている。 「こんなものを平気で拡散する人がいるのか…」 これはなにも、彼の動画が初めてではない。 今までも数多くの「一般人の奇行」を盗撮した動画が、不特定多数の人に拡散され、ネット界を独り歩きしてきたのだ。私はそんな動画を見る度に、心が痛んだ。 あの動画を「撮った」人がいる。ネットに流出した動画を見て「笑った」人がいる。そしてそんな彼をまた、他人に「見せようとする」人がいる。 彼らの動画を見て、もしくは彼らの実際の姿を見て、本当に何も思わないだろうか? 乗客が多数いる車内で、大声を出す。道を歩きながら突
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