【ワシントン=伊藤宏】米国で、オバマ大統領とも親しい著名なアフリカ系(黒人)学者のヘンリー・ルイス・ゲーツ・ハーバード大教授(58)が、自宅に入ろうとして窃盗犯と間違われ逮捕されるという事件が起きた。これをきっかけとしたオバマ氏の人種問題をめぐる発言が、米国社会に波紋を広げている。 米メディアの報道によると、問題の事件は16日、マサチューセッツ州ケンブリッジの教授の自宅で起きた。教授はカギを忘れたので、ドアをこじ開けて入ろうとしていたが、近所から「窃盗犯が侵入している」との通報を受けた白人の巡査部長(42)が駆けつけ、逮捕した。まもなく釈放されたが、教授は、自宅が白人が多く住む地域にあることから、巡査部長が自分の外見だけで「最初から犯罪者と決めつけた」と指摘。人種差別的だと批判した。 これを受けて、オバマ大統領は22日の記者会見で、「教授の家とわかっていながら逮捕したのは、愚かな行動だ