「デスクに向かってうつむいて仕事をしていると、常に小学生が首にぶら下がっているようなもの」──こう説明するのは、首や肩の痛みなどを得意とする、さかいクリニックグループの酒井慎太郎代表だ。 酒井代表によれば、人間の頭の重量は全体重の10%程度といわれており、体重が60キロの人なら頭だけで6キロになる。これは2リットルのペットボトル3本や13ポンドのボーリング球と同じ重さだが、首はこの重さを常に支え続けている状態だ。 さらに首の傾き具合でも負荷は変わる。体重が60キロの人がうつむいた姿勢で頭を前に30度傾けると、首への負担は約18キロ相当、60度傾けると約27キロ相当まで増える。そんな負担を首にかけ続けていると、神経の圧迫や首まわりの筋肉疲労などで椎間板症や頸椎ヘルニア、さらに腰痛や膝の不調などの慢性疾患を引き起こす。耳鳴り、めまい、逆流性食道炎のような内部疾患や、自律神経失調症、脳梗塞、うつ