全身に血液を送る臓器、心臓。その機能不全(心不全)を防ぐ医療デバイスと治療手法が幾つも開発され、百歳超まで寿命を延ばすことが可能になりつつある。水分と栄養を絶えず全身に送り出す心臓が元気であれば、たいていの人は生き続けられるからだ。 弱った心臓の一部を代替するデバイスは形状記憶合金フレームなどが使われ、メスで胸を開かなくてもカテーテルを使って心臓内に設置できるようになってきた。術後に普通に日常生活を送れる植え込み型の補助人工心臓も登場している。こうしたデバイスには、合金や磁気など先端分野で開発された技術が盛り込まれている。