話題のマンガの魅力を担当編集が語る「マンガ質問状」。今回は、平凡な男子中学生が社交ダンスと出合い、その才能を開花させていくさまを描いた竹内友さんのマンガ「ボールルームへようこそ」です。「月刊少年マガジン」(講談社)編集部の小田太郎さんに作品の魅力を聞きました。 −−この作品の魅力は? 平凡な中学生、富士田多々良くんが、偶然、ダンス教室に足を踏み入れたところから始まります。 彼は学校でいわゆる「イケてないグループ」に属するような少年ですが、社交ダンスという強力な自己アピール性を持った競技に心引かれてしまいます。それは彼に全くない要素だからなのか、彼の中にそういう一面が眠っていたからなのかは、物語が進むにつれて明らかになるかと。 10代の少年がダンスに興味を持つことは多くないと思いますが、ダンスは少年にも訴えかける強力な魅力を持った競技です。それは「他人から喝采(かっさい)を浴びることが目的」