東(アズマ)は、ずっと続けてきた野球をやめたことをきっかけに、親友の西条とケンカをしていた。その日は文化祭前日。空には、二人の心を映し出したような、とてつもなく大きな雨雲が渦を巻いていた……。 青春時代の繊細な心の機微を描いた短編アニメーション映画「台風のノルダ」が6月5日(金)から公開される。監督を務めたのは、新進気鋭のクリエイターが集結するスタジオコロリドの新井陽次郎。スタジオジブリを経て、2013年に公開された「陽なたのアオシグレ」でキャラクターデザイン・作画監督を務め、今回が初の監督作品となる。ノスタルジックな雰囲気と、映像表現に対する強い意志が感じられる本作について、監督に聞いた。 ——「台風のノルダ」の制作はどんなところから始まりましたか 新井:物語のある1枚絵を描くのが好きで、そのなかの1枚の絵をもとに、設定を組み立てていこうという話になりました。台風がやってきて学校の生徒た