将棋の藤井聡太王位(22)が今月9日、静岡県牧之原市を訪問した際、市内の旧家で今春見つかった200年以上前の詰将棋(つめしょうぎ)が披露されました。藤井王位が一目で解いてみせたこの詰将棋に、解答とは別の謎が秘められていたことが、その後の調べで分かりました。愛好家が「約20年ぶりの大発見」と興奮し、藤井王位も「気づかなかった」と驚いた、図面に隠された秘密とは―。東京新聞連載「バン記者・樋口薫の棋界見て歩き」の「盤外編」としてお伝えします。(樋口薫)
機械輸出を巡る冤罪(えんざい)事件に巻き込まれた機械製造会社「大川原化工機」(横浜市)の社長らが国と東京都に損害賠償を求めた民事訴訟の控訴審は、元取締役に対する警視庁公安部の取り調べの違法性が争点の一つだ。一審の東京地裁判決は、人を欺く「偽計」を用いて供述調書を作成したなどとして、一部を違法と認定した。どのような状況だったのか。元取締役に聞きながら、取り調べの在り方を考えた。(山田雄之) 大川原化工機を巡る冤罪事件 警視庁公安部が2020年3月、国の許可を得ずに噴霧乾燥機を中国に輸出したとする外為法違反容疑で大川原正明社長や島田さんら3人を逮捕し、東京地検が起訴したが、21年7月に取り消した。1年近く身体拘束された社長らが逮捕・起訴は違法として東京地裁に起こした国家賠償訴訟の証人尋問で、捜査担当の警察官が事件を「捏造(ねつぞう)」と証言。昨年12月の地裁判決は捜査の違法性を認め、国と都に賠
「どう考えても、不当な強制捜査だ」。鹿児島県警の元巡査長が逮捕、起訴された捜査資料漏えい事件の「関係先」として、福岡市の事務所を捜索されたニュースサイト「ハンター」代表の中願寺純則さん(64)は憤りを隠せない。取材の成果と商売道具を取り上げられた上、事件と無関係の警察内部文書の削除まで要求された。事件の経過を振り返りながら、浮かび上がった問題点を考えた。(西田直晃、写真も) インターホンが鳴ったのは4月8日午前8時半ごろ。中願寺さんがドアを開けると、警察手帳を取り出した若い捜査員は「分かってますよね」と告げたという。示された捜索令状に「地方公務員法違反」と書いてあったが、その中身を見せるべきだという訴えは拒まれ、読み上げもなかった。 「言葉は丁寧だったが、やはり強く出てくるなと思った」と中願寺さん。手にした携帯電話で弁護士に連絡を試みると、近づいた捜査員に取り上げられ、「身に着けているもの
ドラマ「セクシー田中さん」の原作者で漫画家の芦原妃名子(あしはらひなこ)さんが急死した問題で、ドラマを制作した日本テレビは31日、社内特別調査チームによる報告書を発表した。制作側と、原作者と出版した小学館が改変を巡って意見が一致せず、原作者から厳しい指摘を受け、一部場面を撮り直したことも明かされた。日テレは原作者側との調整不足を認め、報告書では、改変を巡る経緯について原作者側と認識に齟齬(そご)があったとした。 ドラマは全10話。原作は終わっておらず、10話は原作にはない内容だった。報告書によると、原作者側は意見が合わない制作側に不信感を持ち、9、10話は「創作」を入れないでほしいと要望。脚本家の交代を強く求め、最終的に原作者が脚本を書いた。だが、降板した脚本家は「9、10話にも自分のアイデアが使われている」と、スタッフ名簿に「協力」などで名前を入れるよう求めたが、原作者に認められなかった
生物兵器製造に転用可能な装置を無許可で輸出したとして、「大川原化工機」(横浜市)の社長らが外為法違反容疑で逮捕され、後に起訴が取り消された事件を受け、警察庁の迫田裕治警備局長は12日の参院内閣委員会で、警視庁公安部に授与した警察庁長官賞や警視総監賞が返納されたと報告した。関係者の処分については否定した。 大川原化工機を巡る訴訟 警視庁公安部が2020年3月、国の許可を得ずに噴霧乾燥機を中国に輸出したとして、外為法違反(無許可輸出)容疑で大川原化工機の社長ら3人を逮捕し、東京地検が起訴。地検は21年7月、犯罪に当たるか疑義が生じたとして起訴を取り消した。社長らは同年9月、警視庁と東京地検の逮捕・起訴は違法だとして、国家賠償訴訟を提起。東京地裁は昨年12月、「必要な捜査を尽くさなかった」として逮捕や起訴を違法と判断し、国と東京都に計1億6000万円の支払いを命じた。今年1月、双方が控訴した。
「日本のANIME」の新たな発信拠点が、サブカルチャーの集積地・池袋に誕生した。10月末にオープンした「アニメ東京ステーション」。原画やフィルムを眺めて作品の世界観に浸ったり、制作工程に触れたり。インバウンド(訪日客)需要が回復する中、世界中のファンを呼び込む観光スポットとなるか-。 池袋駅から東へ徒歩4分。館内に入って目に飛び込むのは、吹き抜けの天井からシャンデリアのようにぶら下がる巨大なオブジェ。1958年公開の日本最初のカラー長編アニメ映画「白蛇伝」から、中国・春秋戦国時代が舞台で来年第5シリーズが放送される人気アニメ「キングダム」まで、約120作品のキービジュアルやキャラクター画が螺旋(らせん)を描きながら並ぶ。時空を超え、日本のアニメの歩みに触れられる空間だ。
東京のJR三鷹駅北口で16日、地元商店会主催の秋祭りが始まり、人気アニメ「攻殻機動隊SAC2045」に登場する多脚思考戦車「タチコマ」の実物大モデルがお目見えした。秋祭りは17日も開かれる。 モデルは幅約193センチ、高さ約133センチ。武蔵野商工会議所などから秋祭りに出展を依頼された地元のアニメ制作会社「プロダクション・アイジー(I・G)」が、展示した。周囲には、スマートフォンで写真撮影する多くの若者らの人垣ができた。 多くの著名漫画家やアニメ制作会社が拠点を置く武蔵野市を「アニメ&マンガ(アニマン)の街」としてPRするプロジェクト「アニメノマンガノムサシノ 2023」の第1弾として企画された。11月にはJR吉祥寺駅を中心に人気アニメの「北斗の拳」「シティハンター」など7種類のデザインマンホールを巡る回遊イベントも予定されている。(花井勝規)
水上バイクを乗用車でけん引し、コンクリート製の斜面から霞ケ浦(西浦)にスムーズに運び込める「大山スロープ」(茨城県美浦村)。夏になると多くの愛好家が訪れる「聖地」だが、騒音やゴミの放置など、一部の駐車場利用者によるマナーの悪さが地元住民を悩ませてきた。村は今月一日から、駐車場を有料の事前予約制にし、夜間は閉鎖するといった対策に乗り出した。(青木孝行) 「前回来た時は、他の利用者がバーベキューをやったり冷蔵庫を持ち込んだりしていて、気持ち良く遊べなかった」。六月下旬の平日、二人の仲間と一緒に訪れていた東京都大田区の会社経営加藤雄大さん(38)は憤った。水上バイクに乗るために沖縄やグアム、サイパンに足を運ぶほどの大の愛好家という。 大山スロープは鹿島海軍航空隊の水上戦闘機の練習場跡地。湖面に向かってなだらかな傾斜になっている。美浦村によると、南側と東側の護岸面積は計約一万二千六百平方メートルで
大手家電量販店5社の茨城県の店舗では昨年4月から、正社員の年間休日が111日以上になった。もともとはヤマダ電機(現ヤマダホールディングス)など3社の労使が、労働条件等の取り決め「労働協約」で合意した下限だ。 さらに、3労組は労働組合法18条に定められた「地域的拡張適用」に基づき、協約の内容を地域を絞って同業他社にも広げるように申し立てた。その結果、協約外のノジマ、ビックカメラも茨城では111日以上にする義務が生じた。 <労働協約の地域的拡張適用> 個別の労使が合意した労働協約を、地域限定で同業他社にも広げること。申し立てに基づき、労働委員会が審査、厚生労働相や知事が決定する。「時給制のスーパーのレジ係」のように適用労働者の範囲を定め、地域内でその4分の3程度に元の協約が適用されている必要があるなど利用の条件は厳しい。かつては零細企業が多い地場産業で、賃金の下限などを設けるのに使われた。これ
東京・秋葉原の電気街(千代田区外神田)に170メートルの超高層ビルを建てる再開発構想を巡り、地元家電店などの名物経営者たちが熱い論戦を展開している。「街の再生につながる」「見通しが甘いのでは」と商売論が激突。公費投入や公共財産の区道廃止も絡み、区は今月下旬に、新たに全区民を対象とする説明会を開くことを決めた。アキバの景色は変わるのか—。 (井上靖史) 電気街の再開発計画 対象はJR秋葉原駅の南西にある万世橋に近い三角形の地区。広さ約1・9ヘクタール。家電量販店が並び、マニア向けの小さな電子部品店もある。開発後は最高170メートルと50メートルのビル2棟からなり、事業費854億円(2021年7月の区資料)。フロアを売却して事業費を捻出するが、事業費の1割は区費が充てられる見通し。公有地を除く地権者は31人。賛同者は6割ほど。都市再開発法は再開発組合の設立には区域内の権利者の3分の2以上の同意
異世界でスライムに転生し国を興した主人公の活躍を描く、二十五日公開のアニメ映画「劇場版 転生したらスライムだった件 紅蓮(ぐれん)の絆編」。コミックやアニメで親しまれている「転スラ」の初映画化で、主人公リムル役の声優岡咲美保(23)は「大迫力の映像や音でパワーアップしました。ぜひ劇場で楽しんで」とPRする。 (上田融) 事件に巻き込まれ死亡したサラリーマンの男が、スライムに転生してリムルと名乗り、魔物たちを仲間に「テンペスト」という国の盟主になる物語。小説投稿サイトの連載が二〇一五年にコミック化、関連書籍は累計三千万部を超え、一八年にテレビアニメが始まった。劇場版は、湖が鉱山毒に侵され、女王が病に伏す隣国の危機を救うため、リムルたちが立ち上がる。
島津製作所(京都市)が製造した医療用エックス線装置を巡り、保守と販売を担う子会社の島津メディカルシステムズ(大阪市)熊本営業所の幹部社員が、熊本県内の公立病院に納入した装置に回路を遮断するタイマーを仕掛け、故障を装って部品を交換していたことが本紙の取材で分かった。病院は交換修理費として200万円超を支払った。島津製作所は社内調査していることを認め、自社のホームページに「事実関係が明らかになり次第、しかるべき対応を行う」とのコメントを出した。 両社の関係者は25日、この病院を訪れて謝罪し、概要を説明した。営業所を所管する熊本県は、メディカル社などから聞き取りをする考えを示した。病院を運営する自治体は、代金の返還を求めることも視野に検討するとした。 部品を交換していた装置は、エックス線で体内を撮影しながら映像を見られる「エックス線テレビシステム」で、この病院には2009年に設置された。関係者に
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