“優勝請負人”“木内マジック”と言われた男がいる。 名前は木内幸男。取手二高・常総学院を率いて甲子園を沸かせたのは我々の脳裏に焼きついて離れることはない。 木内監督はその人生の大半を野球に捧げた男である。 野球というスポーツを隅から隅まで知りつくした名将は選手の個性を見極めて、適材適所でのびのびとプレーをさせる。 また独自の野球理論も確固たるものがある。それでいて新しい情報の収集には貪欲だ。 そんな木内監督の野球人生を追ってみたい。 若手監督からも徹底した情報収集をする木内監督 取材日はあいにくの雨降り模様。常総学院の木内監督が、自慢の専用球場を眺めながらこれまた自慢の大きな声でおどける。「本梅雨ならピッチャー有利。空梅雨だとバッター有利。今年は雨が多いらしいから、ええピッチャーがおるところが勝つかな。そうなるウチは不利っちゅうことだわなぁ」 わぁはっはっと、おなじみの笑顔。軽快な話術。取