二宮寿朗 = 文 text by Toshio Ninomiya photograph by Naoya Sanuki ウズベキスタン戦から中3日。W杯出場を決めた日本代表は、ホームのカタール戦では“別チーム”になっていた。 生命線である運動量がないため、連係、連動が生まれるはずもない。パスをつなごうと思ってもチーム全体の足が止まっていて、パスコースがない。相手をひきつけて何とかパスコースを捻出しようと奮闘する中村俊輔が、いらだつような仕草を見せる場面もあった。攻撃の停滞はカタールを勢いづかせ、イージーなミスをしてカウンターを受けるという同じ過ちを繰り返してしまうのである。試合中に修正がきかない、チームそのものの未熟。 確かに、退席処分で指揮を執れなかった岡田武史監督の不在も影響しただろうし、不動のボランチとして君臨する長谷部誠や遠藤保仁が欠場するなどメンバーが入れ替わったことも