さまざまな思い出と教訓をもたらしたオランダ戦の翌日、4日間滞在したエンスヘーデに別れを告げて、次の目的地ユトレヒトに向かう。西に向かって鉄道で2時間弱。中央駅のプラットフォームに降り立つと、構内がやたら大きく感じられ、行き交う人々の顔立ちや装いや肌の色も実に多様である。ユトレヒトは、アムステルダム、ロッテルダム、デン・ハーグに次ぐ、オランダ第4の都市で、人口およそ30万人。日本なら地方都市レベルの人口規模だが、それでも15万人しかいないエンスヘーデから出てきた者にとっては、ここは十分すぎるほど「都会」に感じられる。 ところでユトレヒトと聞いて、皆さんは何を連想するだろうか。 世界史の授業を思い起こすなら、オランダ北部7州が対スペイン独立戦争のために団結したユトレヒト同盟、あるいは1636年に創設されたユトレヒト大学がまず頭に浮かぶだろう。またサッカーファンならば、2003年にプレーした