逮捕された北朝鮮籍の乗組員が乗った木造船は9日午前7時45分ごろ、海上保安庁の船に引かれて、北海道函館市の函館港中央埠頭(ふとう)に接岸。直後に道警の警察官や海保の職員らが一斉に乗り込んだ。 午前8時ごろ、船内から「逮捕、逮捕!」と叫ぶ声が上がった。乗組員は、複数の警察官らに両脇を抱えられたり、わめき声を上げて激しく抵抗したりしながら順次下船。最後の1人は担架で運ばれ、30分ほどかけて全員が船を下りた。 逮捕された3人は無人島・松前小島の物置から発電機を盗んだとされる。物置を所有する松前さくら漁協によると、物置と小屋から家電や漁具などが盗まれており、被害総額は約790万円に上るという。佐藤正美組合長は9日、「被害の大きさを考えれば、逮捕は当然かと思う。これで真相が解明されるはず。今後の捜査に期待したい」と話した。(阿部浩明、弓長理佳)