スイスに生まれ、パリで活躍し、没後は忘れ去られていた画家、フェリックス・ヴァロットンの展覧会が、三菱一号館美術館で開かれている。 ヨーロッパでも回顧展は数えるほどしか開かれておらず、日本では初めて。どこか奇妙で想像力をかき立てられる作品が、20代、30代を中心に人気を集めている。学芸員の杉山菜穂子さんに、5点の作品について話をきいた。 冷たいエロス? 横たわる裸の女性が視線をこちらに投げかけている。誘惑しているのだろうか? 「それにしては、ほとばしる官能が感じられません。冷たいエロスというか、肌に触れたら冷たいのではないかと思わせます。男性の意見は違うようですが……」と杉山さんは語る。 ヴァロットンは女性が好きだった一方で、女性に対して近寄りがたいものを感じていた。そのため、裸婦の絵も真正面からではなく、横や後ろから描いたものが多いのだという。
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