日本原子力研究開発機構(原子力機構)の理事長に就任した旧原子力安全委員会元委員長の松浦祥次郎氏(77)に三日、辞令が交付された。文部科学省で就任会見に臨み「組織の安全文化を向上させ、原子力機構を新しく作り直すため最大限努力する」と述べた。 松浦氏は、高速増殖原型炉もんじゅの点検漏れ問題で引責辞任した鈴木篤之前理事長の後任で、同機構の前身の一つである日本原子力研究所の理事長も務めていた。辞令を手渡した下村博文文科相は「安全文化の醸成に最大限努めていただきたい」と注文を出した。 原子力規制委員会から使用停止を命じられたもんじゅについて松浦氏は「政治的に必要がないと決定が下されるまでは、開発を続ける」とした。運転再開の時期については「もんじゅの状態を自分の目で見て、どのように進めていくか決めたい」と述べた。