軍事研究問題をめぐる日本パグウォッシュ会議の声明 ――日本学術会議での議論によせて―― 2015年以降、防衛省の予算による委託研究「安全保障技術研究推進制度」が開始され、17年度には予算規模が大幅に増額されるなど、防衛省から大学等への関与が目立ち始めると同時に、「軍事研究」と「科学」の問題をどう捉えるべきかをめぐる議論が研究者・市民の間で活発化しつつある。中でも日本学術会議では2016年5月に「安全保障と学術に関する検討委員会」が設置され、以来、2017年2月まで、10回にわたり、多様な専門家を招聘しての審議が続いている。 日本の科学者を内外に対して代表する組織であり、第二次大戦後に戦争への反省と平和国家建設の決意(1949年の設立宣言)に基いて設立された日本学術会議は、既に1950年と1967年にも「戦争を目的とする科学の研究には絶対に従わない」とする声明を発表している。今回はまだ「