深刻な経営悪化で存続が危ぶまれている第3セクター「くま川鉄道」(人吉―湯前間、本社・人吉市)について、同鉄道に出資する人吉球磨10市町村は、財政支援に乗り出す方向で合意した。今年で開業21年目を迎えた同鉄道は、沿線の人口減少などで毎年度6000万〜7000万円の赤字を計上しており、10市町村が負担金を出し合って赤字分を穴埋めする。今後、市町村の負担割合を詰め、各議会の承認を得ることになるが、新たな財政負担に反発も予想される。(佐々木道哉) 人吉市、錦、あさぎり、多良木、湯前各町、水上、相良、五木、山江、球磨各村の首長らが12日、人吉市内で会合を開き、負担割合について協議。各自治体内の営業キロ数、財政規模、固定資産税の額などに加え、〈1〉駅の乗降客数〈2〉通学定期の購入者数――のいずれかを基に算定する2通りの案が出された。沿線外の水上、五木、山江、球磨各村にも同様の方法で負担を求める。 6月