7月14日付の御社の「妻の家事ハラ実態調査」についてのニュースリリースと再現ムービーを拝見しました。ここでは、「夫の家事協力に対する妻のダメ出し行為」を「家事ハラ」と定義づけるとされています。このような恣意的な定義づけによる誤用、捻じ曲げに、この言葉の創設者として困惑しています。 「家事ハラ」は2013年10月に私が出版した『家事労働ハラスメント~生きづらさの根にあるもの』(岩波新書)の中で創出した造語です。ここでは「家事ハラ」を、家事労働の蔑視・無視・排除といった嫌がらせ(ハラスメント)によって、これを担う人々(主に女性)に大きな不利益をもたらしている社会システムの歪みを取り上げ、「家事ハラ」によって経済力を持ちにくい立場に置かれたことが女性の貧困の増加を招いていること、男性もまた、家事労働という生にかかわる労働から排除され、ワーク・ライフ・バランスを欠いた「働く機械」として生きることを