「電子書籍元年」と言われiPadも大人気。今年もライフスタイルを変えそうなインターネット関連の話題は多かった。しかし、一方でネットを通じてパソコン(PC)に不正侵入し、情報を盗み出す手口は巧妙化している。専門家は「愉快犯的な動きから、金銭がらみのサイバー犯罪型に変化している」と指摘する。法務省はウイルス作成罪の創設を検討中だが課題も多く、大切な個人情報は当面、自分で守るしかなさそうだ。【岡礼子】 ■増える被害 自宅や会社で使っているPCに外部から忍び込み、内部に潜み、個人情報を盗み取っていく不正プログラムの数は、世界で増えている。セキュリティー大手・シマンテック(米カリフォルニア州)が今年1~6月に新たに作成した不正プログラムのシグネチャー(セキュリティーソフトが照合するためのデータ)は180万種。07年は通年で71万種、08年170万種、09年290万種と急速に増加している。 理由は「駆