2010年3月3日のブックマーク (3件)

  • このあいだの夜、知らない人の家に行った。

    ニワンゴで知り合った男性。 同い年なのと、メールのやり取りをしたときのなんとなくスムーズな感じから、また隣県だったので、 「異性だけどセックスはなしで!」と冗談ぽく念を押して飲む約束をした。 最初にメールをして三時間後、私は一時間と650円をかけてその人の家の近くの駅に行った。 気持ちは「なんかあってもまあいいか」だった。 待ち合わせ場所に来た人は、服装からあまりもてなさそうな印象の大学生だった。 居酒屋に行って、よくメールで人と会うの?と聞かれて、正直にこれが最初だと言った。 大学の話を聞かせてもらったり、自分の話も聞いてもらって、 相手の相づちや話し方から、相手が私にとって話しやすいタイプの人であることを知った。 二回くらい「当にくるとは思わなかった」と言われた。 私も、自分が顔も知らない人と会う約束をするとは思ってなかった。 深夜彼の家にいって、棚にある漫画を読んで(私はジャンル関

    このあいだの夜、知らない人の家に行った。
  • 女の子ひろった  追記あり

    夜の海岸線を走る国道で女の子をひろった。 ビニール傘をさして雨の中をとぼとぼと歩く姿が、ヘッドライトの中で片手を大きく上げるので速度を落としたが、女性であることに気づいて、クラクションを鳴らして通り過ぎる。 大の男が女性ヒッチハイカーをひろうわけにはいかないわけだし、旅の途中でもあるわけだし、だいいち予定をずいぶん超過しているわけだし。ちらりとデジタル時計を見ると、九時をだいぶ回っている。周囲にヘッドライトは見えない。しかたなく路肩に車を停め、僕は傘をさして反対方向へ走り出す。 「大丈夫ですか? あいにく男なんです、それに」 駆けより弁解しようとして、言葉が途切れる。ヒッチハイカーの二十歳前後の女性は小柄で、その細い肩を小刻みに震わせていた。 「大丈夫?」 顔色をのぞきこむと彼女のくちびるがかすかに動く。さむい。 歩ける? じゃあ、車まで、距離あるけれど。縦に首を振る。それでとぼとぼとつい

    女の子ひろった  追記あり
    Cichla
    Cichla 2010/03/03
    追記分は読んでないけど,ここまでで終わらせるのが余韻があって良いように思った。
  • 画びょう

    棚からを取ろうとしたら、手が滑って画びょうが入ってる箱が落ちた。 プラスチックの箱は簡単に開いて、画びょうはきれいに机の上や床に散らばった。 5色の画びょう。昔一緒に住んでいた人が置いていった画びょう。5色の画びょうはおはじきみたいで綺麗だけど、よく見るととげとげしい。 一個一個拾う作業。面倒だけど拾わないと足に刺さる。刺さると痛い。 机の上や床に落ちた画びょうは拾えた。これで大丈夫。 なんて思っても見えないところにまだあるんだろうな。 そして私はそれに気付かず踏んでから気付くんだ。いたいって。 もう大丈夫と思って過ごしても、忘れた頃に痛みと共に思い出す。 拾いきれない画びょうは見つけるのが難しい。 だけど一個一個足で踏んでいけばいつかはなくなる。痛い画びょうはなくなって安心して歩ける。

    画びょう