数年前に書店で初めて見た時は、「何と胡散臭いタイトルの本なんだろう?ピーター・センゲはせっかく『最強組織の法則』で有名になったのに、どこかで歯車が狂ったのか?」と思ったものだが、狂っていたのは私の思考の方だった。デビッド・ボームの『ダイアローグ−対立から共生へ、議論から対話へ』、ジョセフ・ジャウォースキーの『シンクロニシティ』とこの本はかなり密接に関連している(ジャウォースキー自身も『出現する未来』の共著者)。『シンクロニシティ』のあとがきの中で、金井先生が次のように述べていることが契機となり、この本をちゃんと読むことを決心した。 ジャウォースキーの行動パターンを見ていると、米国の心理学のリチャード・シャームなら「自己原因性」、わが国の経営者で養蜂家の佐藤満さんなら、「原因自分論」という面も伴いつつ、偶然の連鎖を生み出しているように思える。本書で強いコミットメントを強調していることからも、